世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
寮を飛び出し、全速力で教室へと向かう。

翌朝。昨日寝落ちしてしまい、アラームをかけ忘れたことで寝坊してしまったのだ。

あぁ、もう…っ!

時計を見ればHRまであと5分。

やっと昇降口で上履きに履き替え、階段を駆け上がろうとした時。

クラッとした目眩に襲われて、下駄箱にもたれかかった。

あれ……。

それからすぐ、フッ、と意識を手放した。

***

あれ……? これ…夢?

次に目が覚めた時。

私の身体は宙に浮いてて、なんだかユラユラしていた。

誰かの腕にすっぽり収まっている……。

……

!?

状況を把握するなり、目を見開いた。

だ、だ、だって!

私今、結星くんにお姫様抱っこされてる…!?

「ゆっ、せいくん……っ?」

声を掛けると、「……下駄箱で倒れてた」と教えてくれた。

そして、どこかの部屋に運ばれると、ゆっくりとベッドに降ろされて、布団をかけられた。

ぱちぱちと瞬きしながら、寝ぼけ眼で、口を開く。

「ここ…どこ……」

「保健室」

ゆっくりとベッド横のパイプ椅子に腰を下ろした結星くん。

自身の目元の指さして言った。

「……クマ。すげぇあるけど。ちゃんと寝てんのかよ」

「え…? くま…??」

少し考えて、続ける。
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