世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
”想い出が無くなっちゃったなら、また作ればいい”
最近は、強くそう思い始めていた。
ならば、これは想い出を作る一大イベント!大チャンス!
「デート。誘っちゃいなよ!」
口元を綻ばせながら桃子ちゃんが言う。
「えぇっ…でも……」
「最近いい感じなんでしょ? そろそろ言われちゃうかもよ? 俺、羽瑠が好きだ……って!」
「……っ!?!?」
どうしよう!想像しただけで、顔が熱く……
パタパタと顔面を手で仰ぎながら、フー、と息をつく。
「そんなこと言われたらうれしくて死んじゃうかも…」
「っもー!うるうるかっわいいー!」
俺、羽瑠が好きだ……、か…。
実は、帰国してから結星くんに名前を呼ばれたこと、まだ1度もないんだよね。
前、羽瑠って呼んでね、って言ったんだけど、多分恥ずかしがり屋だから、なかなか……。
だから余計そんな妄想は浮かれてしまう。
でも…そんな展開を、心のどこかでは常に望んでいる。
よしっ! 誘ってみよう───────。