のーどくたーのーらいふ[短編]
「凛、どうした」














明らかに様子がおかしい














怖がってるとかそういう次元じゃない














凛「ごめんなっ、ごめんなさいっ、」














「大丈夫だよ、凛」














凛「ごめんなさいっ、やめてっ、やだっ」














「陸、樹に電話して来てもらって」














この状態だと、俺だけでは難しい














陸「うん、分かった」














そういって電話をかけ始めた














凛「やだっ、やめてっ、」














「りーん、ここは安全だよ、安全」














陸「すぐ来るって」














「ありがとう」














凛「やだっ、こないでっ、」














「陸、その棚にある薬だしておいて」














陸「了解」














「あと、陸に頼みがある」














陸「うん、なに」














「樹のヘルプついてやってくれないか」














陸「京が打つんじゃないの?」














「俺は打てない、」














陸「...」














今の言葉で伝わっただろうか














ガチャ














樹「どんな状況?」














「俺の声、全く聞こえてない」














樹「なるほど」














凛「やだっ、ごめんなさいっ、」














樹「...筋注しよう、」














「陸、凛のこと抑えて」














陸「は、何言って...」














樹「陸」














陸「だってさ、」














樹「陸!」














滅多に大きな声を出さない樹が














大きな声を出していることに














陸は何かを察してくれたんだろう














陸「分かったよ、」














樹「凛ちゃん、今から筋注するからね」














おそらく今の凛には届いてないだろう














陸「凛ちゃん、ごめんね














動いちゃうと危ないから抑えるよ」














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