のーどくたーのーらいふ[短編]
「りーん、大丈夫。














ゆっくり息してみ、怖くないから」














凛「っ」














「俺、ちゃんとここにいるから」














少しの間、背中をトントンしていたら














落ち着いてきた様子の凛














「凛、顔見せて」














そういうと涙を溜めた目で














俺の方を見上げる凛














「たくさん涙でたね」














そういって親指で涙を拭う














凛「けい」














「ん?」














凛「いかないで」














「どこにもいかないよ」














独りにしないでって意味だと思ったけど














凛「凛のそばにいて」














どうもそうじゃないらしい














「今日は仕事だけど














ちゃんと夕方には帰ってくるから」














凛「だめ」














だめって言われてもな(笑)














「今日は大事な会議あるから休めない」














凛「やだ」














「どうして?」














凛「いかないで」














このあと理由を聞いても














大事な会議あるから休めないって伝えても














いや/だめしか言わなくて














正直、少し困っていた














「凛、樹にいてもらおうか?」














今日は運が良いのか














樹が休みの日だった














凛「やだ」














「なら一緒に病院くる?」














このまま一人にしておくのも














かなり不安だしなと思っての提案














春も出勤しないといけないし














凛「やだ」














「ならお家で待ってて」














凛「だめ」














「ちゃんと電話するから」














多分独りが不安なんだろう














だけど、そんなことで














大事な会議を休むわけにはいかなくて














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