のーどくたーのーらいふ[短編]
春「あ、起きた?」














心配そうに俺の顔を覗き込んでいる春














春「今、樹くん来るからね」














春はそう優しく声をかける














「んっ、」














体を起こして違和感のある胸を見ると














心電図やパルスオキシメーターが。














「これ、やだ」














いつも患者には外すなって














あれだけ言っているのに














春「外したらダメ、京」














「こんなのつけたくないっ、」














春「けい、だめだって」














「点滴もやだっ、」














春「外したらダメだよ、」














ガラガラ














樹「おはよ~...って」














瞬時に状況を理解する樹














そして、近づいてきてベッドの上に座る














樹「何してんの〜?」














「これやだっ、」














樹「うん」














「外して?」














樹「うーん、」














「いつき、外して?」














樹「春、診察お願いしていい?」














俺を無視して春に声をかける樹














「なに、するの?」














春「胸の音聞いて血圧測るだけ」














「やだ」














春「すぐ終わるから」














「それしたら、外す?」














春「異常がなかったら、ね」














「俺、どこも悪くない」














春「確認させて?」














「ん」














春「もしもし、させてね」














俺、子供じゃないのに...














春「深呼吸してみよっか」














春に言われたとおりに深呼吸をする














それを繰り返すこと体感5分














「はる、ながい」














春「ごめんごめん、もう少し」














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