蓮の花咲き誇る池に落ちた蜻蛉玉
「まつさん、いつものお饅頭を三箱とお団子一本ください!」
「はいよー!…あら、美鈴様じゃないか。おつかいかい?」
美鈴の声が店中に響き渡り、それに反応して店にいた人が視線を向けた。
「そうなの!今日は皆忙しいから、行ってくるようにお母様から言われたの」
「あー、あんなことが起きた後だからねぇ」
「あんなこと?」
「それは、、まぁ、今度また話そうか」
「はい、お饅頭とお団子」とまつは、美鈴にお菓子を包んだであろう風呂敷を手渡す。
「そう?では、また今度ゆっくり話させてね!ありがとう」
風呂敷を受け取り、早々に店を出て行った。
「美鈴様は、まったく。自分の姉が‘駆け落ち`したっていうのに、のんきなもんだ」