明日、君に伝えたいんだ
やっかいな質問をされた。さっき、優輝の名前を声に出して呼んでしまった為、とぼけたフリをする訳にもいかない。


「だって、一年の時も二年の時も同じクラスだったじゃん。次は、どうなのかなって気になっちゃって」


私の本心がバレないように頭を働かせた結果、このような模範解答のような答えが導きだされた。でも、大丈夫。怪しまれないはず。


「確かに。僕達ずっと同じクラスだもんね」


「うん」


心がズキンと痛んだ。いっそのこと、本当の気持ちを今すぐにでも打ち明けてしまいたい。


「僕は、嬉しいよ。同じクラスになれて」


「えっ?」


ほんとに、やめてほしい。私の偽っている気持ちが飛び出してしまいそうだから。


「僕、友達出来るか不安だったんだよねー」


友達。


「そうだよね。私も不安だったから嬉しいよ」


友達と言われて嬉しかった。しっかり、優輝からして私は友達と思われているのが。


でも、少し期待してしまった。期待した私が馬鹿だった。わかりきっていたはずだ。彼にとって、私は友達。それ以外の何にでもないってことを。
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