明日、君に伝えたいんだ
「ほら、クラスついたから早く席順見に行こ」


「‥‥うん」


私は、どれだけ後悔すれば気が済むのだろうか。そんなことを考えながら自分の席につき頭を冷やす。


席、隣じゃなくて良かった。


私の席は後ろだったため、辺りを軽く見渡す事ができた。にしても、今回のクラスはほぼ知らない人ばかりだ。知っている人が居てもそれは数人程度。


「あ!美月だ!良かったぁ、美月と同じクラスで」


そう声を掛けてきてくれたのは、二年の時に同じクラスで仲の良かった水野姫華だ。


あだ名はひめちゃん。名前の通り、容姿端麗で可愛さもあって、本当に羨ましい。


「ひめちゃん、私も嬉しいよ」


「今年のクラスは昨年のクラスより落ち着いてるよねぇ。よかったね、美月!」


「うん、本当によかった」


良かった。ひめちゃんと話している時だけでも
、優輝のことを考えなくてすむ。


こんな気持ち、抱いてはいけないってわかってる。でも、一度湧き出してきたこの感情はなしになんてできなかった。
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