明日、君に伝えたいんだ
なしに出来ないなら、この感情を隠し通せばいいんだ。


そんな昔からの思いを自分に改めて言い聞かせて、私は先生の話に耳を傾けた。


「じゃあ、先生方が来る前に教科書等の準備を済ませるように!」


「え、」


私が先生の言葉に耳を傾けた頃には、授業開始前だった。


「美月、なんかボーッとしてない?大丈夫?」


「あ、うん。大丈夫」


「全然大丈夫そうには見えないんだけど‥‥」


「ほんとに、大丈夫だから」


そう否定すると、ひめちゃんは「美月がそう言うなら大丈夫か!なんかあったらいってね!」と言って自分の席へと戻っていった。


私、かなりボーッとしてるな。


気を引き締めていかなきゃ、と私もごそごそと授業の準備を始めた。


そう思って立ち上がった瞬間、立ちくらみに襲われバランスを崩す。


バタンッ


「‥‥痛っ」


「美月!、怪我はない?大丈夫?とりあえず保健室に行こう」


優輝、めちゃくちゃ焦ってる。こんな取り乱した優輝を見るのは初めてかもしれない。


「う、うん。そうしようかな。足もちょっと痛いし」
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