明日、君に伝えたいんだ
もう、深く考えないようにー


「よいしょ、っと」


その声と同時に体がふわりと持ち上げられる。その感覚は、あまり味わうことができないものだった。


「ちょ、ちょっと。何してるの、重いから下ろして‥‥」


「無理。だって足痛いんでしょ?このくらい我慢して」


さっきまで優輝の事で頭がいっぱいだったのに、今ではそれにプラスして恥ずかしさが積もっていった。


「やっと大人しくなったね。もう美月は観念したのかな」


優輝の表情を見ると、焦っているような一面はもうどこにも見当たらなかった。


やばい。私今、絶対顔赤い。


「美月、顔赤いけどもしかして熱あるんじゃ」


「いや、ないない。私今日熱計ったし」


優輝は、グイッと私の顔を覗き込んでくる。


「ほ、本当に大丈夫だからっ‥‥」


「そっか。まぁとりあえず保健室に行くから、一応のために熱も測ってね」


「う、うん。わかった」


優輝は私を最後までお姫様抱っこしたまま、保健室に着いた。
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