明日、君に伝えたいんだ
ガラガラっと扉を開けると、全く人気がなくやけに静かだった。こんなときに優輝と二人きりなんて、心配が勝ってしまう。


「先生居ないね。とりあえずベット借りようか」


「うん」


やっと普通の距離感を保つことができた私は、内心ホッしていた。それにしても、さっきのは刺激が強すぎる。


「も、もうあんなことしなくていいから」


「ごめん、嫌、だったかな」


「いや、そう言う訳じゃなくて。迷惑かかっちゃったから」


そう少し早口に短く説明すると、優輝はふふっと焦っている私を笑った。笑った顔は、いつみても綺麗だな、なんて。またそんなことを考えてしまう。


「ごめんね、僕がしたくてした事だからさ」


そう言って私の頭に軽くポンッと手をのせて、またニコッと笑いかけてくれる。


「じゃあ、ちょっとここで待ってて。先生呼んでくるから」


「‥‥うん。」


心臓に凄く悪い。鼓動が早くなっていく。ずっと前からそうだった。これは恋、しちゃっている証拠だよね。


「はぁ‥‥」


私は、心音を隠すために毛布を広げてくるまった。こうして、先生がくるの待っていよう。
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