すみっこ屋敷の魔法使い
第二章:恋のさえずりを聞いて
朝が来るのが怖かったと思う。
朝が来れば、エディが起きるまで布団のなかで丸くなって待っていなければいけない。起きたエディはたまに不機嫌で、乱暴に抱いてくるときもある。身体のなかに吐き出されたものをそのままに、お腹のなかがぐるぐると気持ち悪い状態でつめ込む朝食がまずかった。
だから、こんな朝は初めて。
モアが目を覚ますと、カーテンから朝日が零れていた。朝日は静かにイリスを照らしている。
モアはそっと、イリスの顔を見つめていた。
起きているときはずっと笑顔をたたえていたが、流石に眠っているときはそうではなく。ポケッとした表情で寝ている彼は、昼間とは異なる雰囲気。寝息はあまり聞こえてこなくて、彼はとても静かに寝ている。
もう少し、眠っている彼を見つめてみたい。そんなことを思っていると、イリスが「うーん、」と唸って身体をよじった。そしてぐっと伸びをして、ようやく目を覚ます。
「ふわあ……。ん……、んー……? ああ、そうだ、きみと一緒に眠ったんだった……」
「……おはようございます。イリス」
「おはよ、モア」
イリスは眠そうに目を擦りながら、ふにゃっと笑う。
なんだか、胸のなかがふわっと温かくなった。
朝が来れば、エディが起きるまで布団のなかで丸くなって待っていなければいけない。起きたエディはたまに不機嫌で、乱暴に抱いてくるときもある。身体のなかに吐き出されたものをそのままに、お腹のなかがぐるぐると気持ち悪い状態でつめ込む朝食がまずかった。
だから、こんな朝は初めて。
モアが目を覚ますと、カーテンから朝日が零れていた。朝日は静かにイリスを照らしている。
モアはそっと、イリスの顔を見つめていた。
起きているときはずっと笑顔をたたえていたが、流石に眠っているときはそうではなく。ポケッとした表情で寝ている彼は、昼間とは異なる雰囲気。寝息はあまり聞こえてこなくて、彼はとても静かに寝ている。
もう少し、眠っている彼を見つめてみたい。そんなことを思っていると、イリスが「うーん、」と唸って身体をよじった。そしてぐっと伸びをして、ようやく目を覚ます。
「ふわあ……。ん……、んー……? ああ、そうだ、きみと一緒に眠ったんだった……」
「……おはようございます。イリス」
「おはよ、モア」
イリスは眠そうに目を擦りながら、ふにゃっと笑う。
なんだか、胸のなかがふわっと温かくなった。