シェフな夫のおうちごはん~最強スパダリ旦那さまに捕まりました~

9、ほろ苦パーティ

 この日は朝からホームパーティの準備をした。
 あれから浅井さんにおうち訪問をねだられて、優菜も一緒ならOKと明人さんが了承してくれたのだ。

 私は部屋のフローリングを磨いてテーブルセッティングをした。ランチョンマットを敷き、お皿と食器を人数分並べて、小さなキャンドルや造花で飾り付けをしていった。

 シャンパングラスとワイングラスを並べ、最後にナプキンを薔薇の形に折って完成。これだけでレストランに来たような雰囲気になれる。

 明人さんは朝から料理を作っていた。

 肉の塊を焼くときの油をはじく音とガーリックの香りがキッチンに充満して食欲をそそる。表面が少し焦げつくくらいになったら串を通して火の通り具合を確認し、それをアルミホイルで包んでしばらく置いておく。冷めた頃にそれをカットしたら完成。

 明人さんが薄くスライスした肉はレストランで見たことのあるものだった。

「わあっ、本当にローストビーフができた」
「じゃあ、綺麗に並べてくれる?」
「はい!」

 私は大皿に軽く炙ったオニオンを敷き、その上にスライスした肉を並べていった。そしてすりおろした生姜を乗せて醤油ベースのソースをかけたら最後にローズマリーで飾り付け。

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