シェフな夫のおうちごはん~最強スパダリ旦那さまに捕まりました~
 デザートはシフォンケーキにバニラとチョコのアイスがあって、ホイップクリームが添えてあり、フルーツが飾られていた。
 見た目も綺麗で、お腹は膨れていたけどすべて平らげた。
 明人さんはコーヒーを、私は紅茶を飲んだ。

「ごちそうさまでした。本当に美味しかったです」
「よかった。満足してくれたみたいで」
「本当にすっごく満たされました。連れてきてくださってありがとうございます」
「どういたしまして」

 明人さんはにっこり笑って立ち上がった。
 すると彼のスマホに着信があった。

 明人さんはスマホの画面を真顔で見つめて、すぐにポケットに仕舞い込んだ。

「出なくて大丈夫ですか?」
「知らない番号からだった」
「……そうですか」

 たしかに私も知らない番号に出るのは躊躇しちゃうな。

 そのあとは何事もなかったように、ショッピングモールへ行ったり、ふたりで公園を散歩したりしてたくさんおしゃべりした。

 公園の池の前で風が強く吹いた。
 私は乱れた髪を戻そうと必死にかき上げる。
 そうしたら、明人さんがとなりに来て私の髪に触れた。

 どきりとした。

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