シェフな夫のおうちごはん~最強スパダリ旦那さまに捕まりました~
 久しぶりにゆっくり過ごす週末。
 私たちは洋なしを使っておうちデザートを作った。
 パイ生地から作るんだけど、これがなかなか上手くいかなくて苦労した。バターを生地に練り込む作業がなかなか難しくて、それでも手伝ってもらいながらどうにか形になった。
 シロップ漬けにした洋なしを敷き詰めて(フィリング)上から細長く伸ばした生地を網をかけるように置く。
 あとはオーブンが焼いてくれるから待つだけ。

 焼き上がった洋なしパイはこんがり茶色に染まってて香ばしい匂いがふわっと漂った。

「うわあ、美味しそう!」
「1回目は熱いうちに食べよう。2回目は冷めた頃にアイスをのせるのもいいね」
「それすっごく美味しそう!」

 温かい紅茶を淹れて大きめにカットしたパイを白い皿にのせる。リビングのソファのテーブルにランチョンマットを敷いて造花などの置き、アロマキャンドルを灯してから室内の照明を落とす。
 ぼんやりとキャンドルに照らされたこの空間は幻想的だった。

「なんだかクリスマスみたい」
「じゃあ、クリスマスもこうして過ごそうか」
「それ素敵ですね」

 明人さんて意外とロマンチックなんだなあと思った。
 男の人なのにこうして女の子の大好きな演出をするなんて。


※明人の心情(今夜はこの流れで一気にいこう。ご無沙汰だしな)
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