シェフな夫のおうちごはん~最強スパダリ旦那さまに捕まりました~
 家具を購入して駐車場に停めた車に戻ると明人さんが言った。

「これですべての準備は整ったね」
「……はい」
「どうしたの?」

 実は私は少し緊張していた。
 ついに結婚するのだと思うと急にドキドキしてきたのだ。

「あの、私は本当にちゃんとやっていけるのか、心配なんです」

 思い切って悩みを吐露すると、明人さんは笑顔で声をかけてくれた。

「大丈夫。最初は誰でもうまくいかないもんだよ。俺だって初めてだからね」
「あ、そうですよね」
「うまくいかないことがあったら、ふたりで話し合っていこう。苦労は半分、幸せは2倍って言うしね」

 それを聞いた私は安堵して笑みがこぼれた。

「穂高さんと一緒ならやっていけそうです」
「よかった。少しは不安が解消できた?」
「はい。ありがとうございます」

 明人さんは手を伸ばして私の髪を撫でてくれた。
 最初は触れられることに慣れていなくてびくびくしていたけど、最近は平気だ。むしろ、彼の手は心地いい。

「俺は君の味方だからなんでも相談して。これからは一番近くにいるんだからね」
「はい」

 ああっ……明人さん、優しすぎるよ!!!


※明人の心情(ここまで来て逃がすかよ)
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