シェフな夫のおうちごはん~最強スパダリ旦那さまに捕まりました~
 どうしよう。恥ずかしい、こんなの。
 まさか、みんな、こんなキスしてるの?
 
「大丈夫?」

 明人さんが私の耳もとでそっとささやいた。
 キスの余韻のせいで、彼の吐息が耳に触れるだけで体がぞくぞくする。

「だ、大丈夫、です……」

 うそだ。ぜんぜん大丈夫じゃない。
 体が燃えるほど熱くて、手のひらに汗が滲んでいる。

「じゃあ、続けてもいいかな?」
「えっ……」

 続けるって、このキスの続きをするの?

「あの……」

 不安になって見上げると彼は優しく微笑んだ。
 その笑顔が、今はとても怖い。

「大丈夫。ゆっくり少しずつしてあげるから」
「……はい」

 彼の指先が私の頬に触れて、私の唇をなぞった。
 たったそれだけでドキドキして、頭が働かなくなって、もう考えることをやめた。
 再び唇を重ねると、さっきよりもっと深いキスで、まるで彼に食べられてしまうくらいの勢いだった。

 どうしよう。ちょっと耐えられない。
 息が苦しい。長すぎる。
 このキスはいつ終わるの!?


※明人の心情(味見で済ませるものか!)
< 39 / 178 >

この作品をシェア

pagetop