シェフな夫のおうちごはん~最強スパダリ旦那さまに捕まりました~

4、今夜こそ!!

 いつもは優しい明人さんが、今日はなぜか強引に迫ってくる。
 だけど、理由はなんとなくわかった。
 私たち、まだ初夜の営みをおこなっていないからだ。

 というより、もうしないのかなって思っていた。
 明人さんは優しいし、一緒にいて楽しいから、そういうのがなくても私は幸せだった。

 だけど、私はそれでいいのかもしれないけど、明人さんはそうじゃないよね?
 彼にぎゅっと抱きしめられた状態で、私はそっと顔を上げた。
 ベッドサイドにある小さな明かりが彼の顔を照らし出す。
 いつもより真剣な顔をしていて、なんだか少し緊張した。

「眠い?」
「えっと……目が、覚めました」
「そうか」
「……はい」

 布団に入った直後は急激に眠くてそのまま眠れる感じだったけど、今はもう頭がはっきりしている。
 それどころか、ドキドキして眠れなくなってしまった。

「キスをしてもいい?」

 訊かれて、私は黙ってうなずいた。
 そうしたら、彼は私の頬を撫でながら口づけた。
 唇が重なるとさらに鼓動が高鳴って、じわりと額に汗が滲んだ。
 彼の体温が熱いというよりは、自分の体が内側から燃えるくらい熱くなった。

 頭がぼんやりするけど心地いい。
 それに、なんだか変な気持ちになってきた。

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