シェフな夫のおうちごはん~最強スパダリ旦那さまに捕まりました~
 ぐううっと、私のお腹が豪快な音を立てた。
 明人さんは驚いた顔で私から顔を離す。
 恥ずかしくなって、私はおずおずと言い訳を口にした。

「お腹がすいちゃって……」
「今、何時?」

 明人さんはサイドテーブルの照明を点灯し、デジタル時計を見て「9時か」と呟いた。

 本当は、私たちは午後から映画を見ていた。
 そして以前みたいにキスの流れになって、そのまま寝室に連れ込まれて、今の時間になっている。

「待ってて。何か作ってあげる」

 そう言って彼は布団から出て立ち上がった。
 一糸まとわぬ姿で!!!

「きゃああっ! 明人さん、服着てください!!」

 慌てて布団をかぶって見ないようにしたら、彼にいきなり布団をめくられた。

「何を今さら。散々俺の裸を見ただろ?」
「で、でも……薄暗かったし、それに……夢中だった、から……」

 裸を見ている余裕なんてなかったよ!!!

「夫婦なんだから恥ずかしがらなくていいよ」

 彼はそう言って私の頭をくしゃくしゃと撫でた。

 夫婦。そっかあ、夫婦なんだよね。
 今さらだけど、ようやく結婚した実感がわいてきた。

 だけど思い出すと恥ずかしくて、しばらくはまともに彼の顔が見られなかった。

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