シェフな夫のおうちごはん~最強スパダリ旦那さまに捕まりました~
 いろいろと明人さんの謎な部分が出てきて不安になると同時に、浅井さんの態度が気になった。だって、さっきから明人さんのことをあの人呼びしたり、腹黒いと言ったり、魂胆がどうのと言ったりするから。

「浅井さんは明人さんのことが嫌いですか?」
「嫌いじゃないよ。ただ興味があるだけ。俺には冷たい人だから、奥さんから優しいなんて聞いたらプライベートを覗きたくなるじゃん」

 私は少し浅井さんに対して警戒心が強まり、自分で薄い防護壁(シールド)を張った。

「そういうものですか?」
「そそ。だから、おうち招待待ってるね。おっと、もう1時になるじゃん。遅れたらすんごい睨まれるから。じゃ、またね」
「はい。お疲れさまです」

 浅井さんは笑顔で手を振って立ち去っていく。
 私は一応軽く手を振って彼を見送りながら、自分も急ぎ足で仕事に戻った。

 明人さんの謎が深まってしまって、なんだか落ち着かないけど、それよりも私は今晩のメニューを考えなきゃ!!

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