シェフな夫のおうちごはん~最強スパダリ旦那さまに捕まりました~
「わ、すごい!」

 店に入ると思わず声を上げてしまった。

 白を基調とした店内は天井が高くまるでパーティ会場のようだ。
 テーブルには淡いブルーのランチョンマットが敷かれ、ナイフとフォークとスプーンがきちんとセットされている。
 真ん中にはピンクの薔薇とオレンジのガーベラが活けられた花瓶があった。

 窓際の席なので外の景色がよく見える。
 公園の池と森林が日光に照らされてキラキラしている。

「素敵なお店」
「前に来たことがあるんだけど、料理がとても美味しいんだ」
「楽しみです」

 スパークリングワインをグラスに注いでもらって、さっそく前菜が運ばれてきた。
 サーモンとチーズのテリーヌと、ふわっとしたメレンゲが添えられたサラダはピンクと白とグリーンの色合いがさわやかだ。

「すごい、素敵!」
「見た目も綺麗だよね」
「美味しそう。いただきます」

 テリーヌはひと口食べるととろけるような感触で、サラダの上にかかってるメレンゲはシーザードレッシングの味がした。

「ああ、美味しい~」
「それはよかった」

 明人さんは私に向かってにっこり笑って、なんだかちょっと恥ずかしくて嬉しかった。

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