シェフな夫のおうちごはん~最強スパダリ旦那さまに捕まりました~
 次に出てきた料理もおしゃれだった。
 大皿の上でローストビーフが薔薇の形になって中央にあり、そのまわりには食用花と生野菜が添えられて、サワークリームが少し。
 ああ、これはお酒が進んじゃうよー。

「初めて会ったときも思ったけど、月島さんは結構飲めるんだね」

 はっとして、ワイングラスの手を止めた。
 あまり飲みすぎるのはよくないのかな?
 こういうとき控え目のほうがいいのだろうか。
 だって優菜と飲みに行くときはお互いに気にせず飲むから。

「……すみません、お昼から」
「謝らなくていいよ。俺も好きだから、一緒に飲める人がいて嬉しいよ」
「ほんとですか?」
「うん。休日は簡単なものを作って昼から飲むよ」

 明人さんの家飲みとか絶対おしゃれだろうなあ。

「もしよかったら、今度うちに来て飲まない?」
「はい、ぜひ!」

 明るく返事をしてから、はたと気づく。

 家に誘われたってこれ、別の意味もあるんじゃない?
 でも、私たち付き合ってないし、どういう意味で彼は言っているのだろう?

 困った。勢いで返事をしちゃったけど、私は男の人の家に行ったことなんてないよー!

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