シェフな夫のおうちごはん~最強スパダリ旦那さまに捕まりました~
だけど思わぬことが起こった。
意外なことにハンカチを貸してくれた女性とすぐに再会することになる。
この日は早めに帰って買い物をしようと思い、急ぎ足でエントランスへ向かっていたときのことだ。
私の目に飛び込んできたのは先日出会った例のスーツの女性だった。彼女も私に気がついて声をかけてきた。
「あら、あなた」
「お疲れさまです。このあいだはありがとうございました」
「いいのよ。あたしが悪いんだもの」
「あ、でもお借りしたハンカチなんですが、夫が知り合いかもしれないからって預かってくれたんです」
「……夫?」
「はい。穂高明人と言います。私は妻の波留です」
明るく笑顔で挨拶をしたつもりだ。
だけど、彼女は無反応。というよりも、まばたきもせず私をじっと見ている。
もしかして明人さんの知り合いではなかったのかな?
「あの、違いましたか?」
「え? ああ、そうね。穂高さん、知っているわ」
「ほんとですか? よかった」
別人だったらどうしようって思った。
せっかく出会えたけど、ハンカチは明人さんが持っているし、挨拶だけして帰ろう。そう思っていたら、彼女からお誘いを受けた。
「少しお時間ある? せっかくだからお茶でもしたいわ」
意外なことにハンカチを貸してくれた女性とすぐに再会することになる。
この日は早めに帰って買い物をしようと思い、急ぎ足でエントランスへ向かっていたときのことだ。
私の目に飛び込んできたのは先日出会った例のスーツの女性だった。彼女も私に気がついて声をかけてきた。
「あら、あなた」
「お疲れさまです。このあいだはありがとうございました」
「いいのよ。あたしが悪いんだもの」
「あ、でもお借りしたハンカチなんですが、夫が知り合いかもしれないからって預かってくれたんです」
「……夫?」
「はい。穂高明人と言います。私は妻の波留です」
明るく笑顔で挨拶をしたつもりだ。
だけど、彼女は無反応。というよりも、まばたきもせず私をじっと見ている。
もしかして明人さんの知り合いではなかったのかな?
「あの、違いましたか?」
「え? ああ、そうね。穂高さん、知っているわ」
「ほんとですか? よかった」
別人だったらどうしようって思った。
せっかく出会えたけど、ハンカチは明人さんが持っているし、挨拶だけして帰ろう。そう思っていたら、彼女からお誘いを受けた。
「少しお時間ある? せっかくだからお茶でもしたいわ」