シェフな夫のおうちごはん～最強スパダリ旦那さまに捕まりました～

「ほら、週末だよ。夫婦でのんびり過ごせるんだから、この際不安なことをぜんぶ話せばいいよ。今夜外食とかしたら？」
「明人さん、今夜飲み会なの」

　芦田さんはその場にはいないと思うけど、なんだかやけに、彼女の顔が頭にこびりついて離れない。それくらいインパクトのある人だった。もし彼女も飲み会に来ていたら、などと余計なことばかり考えてしまう。

「そっかあ。じゃあ、波留も私と飲み会する？」
「する！」

　優菜の申し出に私は即答した。
　こんな不安定な気持ちのままひとりで過ごしていたら食事をする気にもなれないと思ったから。

　一応、私は優菜と食事をすることを明人さんに伝えておいた。
　彼は【楽しんでおいで】とメッセージを返してくれた。
　私は【明人さんも楽しんでくださいね】と返した。
　そうしたらすぐに返事が来た。

【妻の自慢をね】

　や、やだ……そんなことするの？　明人さん。

　私が狼狽えていたら横から優菜がすかさず言った。

「え？　めちゃくちゃ仲良しじゃない！　何が心配なのよ」