TOP SECRET〜この恋は、誰にも秘密〜


どんなに便利な時代を迎えても本の存在だけはなくすべきじゃない。だからといって電子書籍だって、どこにでも重たいはずの本が持ち歩けるし、使い始めればとても便利でそれぞれ違った良さがある。

ただ、あの紙を捲るときの手触りや静寂な空間に微かに響く音。そんな些細なことが、とてつもなく私は好きだ。


書店を訪れるお客さんには色々な人がいる。年齢層や国籍が様々だったり、本に対する知識の幅の違いや本に求めるものの違いがあったりする。それによって接客対応もだいぶ違いが出てくる。


例えば流行の本をとりあえず読んでおきたい人がいる。そのためにはいま流行っている作家の本の書評などはいち早くチェックするようにしてる。それから、映画化やドラマ化された作品なども必ず目を通しておかなければいけないし、流行に関係なく長い間読まれている良作も常に頭に入れておかなければお客さんからの要望に瞬時に対応出来ない。


そういった場面に遭遇するたび、読書漬けの生活にとやかく言わずに見守ってくれた両親の顔が浮かぶ。本の知識を沢山蓄えられたのは、学生時代があってこそだから。

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