《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?
「ううん、疑ってなんかいないわ。これでもすごく頼りにしているのよ? ルルは私の、とっても大切な子……」

 ——妖精の力があってもなくても。
 ルルは、亡くなったお母様が私に遺してくれた《《家族》》だから。

 床のうさぎを拾い上げて手のひらに乗せると、わしゃわしゃ頬ずりをする。うさぎは照れたようにイヤイヤをして見せた。

(エリーっ、もう離して……? くすぐったいよっっ!)

 嫌がるうさぎを抱えこみ、ふわふわの白い皮毛をモフっていると。

 ——ジリリリリリリ
 目覚まし時計に至福の時間を遮られた。

(学校、行っても嫌な想いするだけでしょ? やめちゃえばいいのに)

 モフられて乱れた被毛を整えながらうさぎが吐息混じりの《声》を出した。
 エリアーナだけに聴こえる、心の中に直接訴えかける妖精の囁きだ。はたから見れば、ぬいぐるみに話しかけているようにしか見えないだろう。


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