《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?
とは言え迂闊に探って怪しまれるわけにもいかず、アレクシスは再び長椅子に腰を下ろす。
出された紅茶に手を伸ばしたが、ふと思いとどまった。
腕を組んで目蓋を閉じる。
ただ待つだけの時間を持て余してしまうが、冷静になれば美麗なドレスに身を包んだ愛らしいエリアーナがあのカーテンの向こう側にいるのだ。
ぞわりと緊張が走り、浮ついた背中がどうにも落ちつかない。気は進まなかったが、仕方なく紅茶をひとくちだけ啜る。
——毒が入っていれば死ぬな。
「お待たせをいたしました。奥方様は、本当に素晴らしいですわ!」
カーテンの奥から声がして、担当の店員がゆっくりとカーテンをめくると。スカートの端を摘み上げ、恥じらいを隠すように俯いたエリアーナが試着室をそろりと進み出た。
「奥方様がお選びになったのですけれど、淡いお色がよくお似合いですこと! デコルテもふくよかで、ため息が出るほどお美しいですわ。旦那様も、ぜひご感想を……!」
客へのおべっかではなく、頬を紅潮させた店員は本音を語っているように思えた。
——エリー……?
目に飛び込んできた光景に息を飲む。
膨らんだ蕾が光をはらみながら開く瞬間を見たような気がした——。
出された紅茶に手を伸ばしたが、ふと思いとどまった。
腕を組んで目蓋を閉じる。
ただ待つだけの時間を持て余してしまうが、冷静になれば美麗なドレスに身を包んだ愛らしいエリアーナがあのカーテンの向こう側にいるのだ。
ぞわりと緊張が走り、浮ついた背中がどうにも落ちつかない。気は進まなかったが、仕方なく紅茶をひとくちだけ啜る。
——毒が入っていれば死ぬな。
「お待たせをいたしました。奥方様は、本当に素晴らしいですわ!」
カーテンの奥から声がして、担当の店員がゆっくりとカーテンをめくると。スカートの端を摘み上げ、恥じらいを隠すように俯いたエリアーナが試着室をそろりと進み出た。
「奥方様がお選びになったのですけれど、淡いお色がよくお似合いですこと! デコルテもふくよかで、ため息が出るほどお美しいですわ。旦那様も、ぜひご感想を……!」
客へのおべっかではなく、頬を紅潮させた店員は本音を語っているように思えた。
——エリー……?
目に飛び込んできた光景に息を飲む。
膨らんだ蕾が光をはらみながら開く瞬間を見たような気がした——。