《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?
——エドガー、様……? 人が、死ぬ……?
男の肩に乗っている鳥が言ったのだと、すぐに理解する。
それに男たちの形相から得体の知れない不穏な気配を感じ取ったのは、エリアーナだけではないはずだ。
「旦那様……っ」
アレクシスの服の袖を強く引っ張った。
小さくかぶりを振り、もうこれ以上深入りしない方がいいと必死で目配せをして見せる。
——エリーが一緒でなければ無茶をしてでも探るところだが……ここまでか。
ゆっくりとまばたきをすると、顔を上げたアレクシスは意に介さずと言わんばかりに爽やかな笑顔を作るのだった。
「わかった。装飾品は日を改めて見せてもらうよ。そのぶん今日は妻のドレスをいただこう」
*
衣装屋を出ると、陽の落ちかけた空には夕星が輝いていた。
結局、店員の見立てで豪奢なドレスを三着も仕立てる事になり、それぞれ飾り付けなどの打ち合わせをしてかなりの時間を要したのだった。
そぞろに行き交う街の人々を避けながら厩に向かう道中、エリアーナは堪えていたものを吐き出すように言う。