《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?
「あの、旦那様……っ。高価なものをたくさん買わせてしまって申し訳ありませんでした。視察の付き添いだけのつもりが……甘えてしまって」
衣装屋にいた時もそうだったが、エリアーナが心から恐縮しているのが手に取るようにわかる。
「謝らなくていい。初めから購入するつもりだったし、何着でも良いと言ったのは俺なのだから」
美麗な花とみまごう姿でエリアーナが試着室を出ると、周りの空気が一瞬で華やいだ。
反王政組織の動向を探る目的をつい忘れてしまうほど、アレクシスはその都度エリアーナに見惚れた。
ふとした瞬間にすぐ頬が緩みそうになるのをどうにか必死で堪えていたのだ。
本当は山ほど買ってやりたい。組織と通じるこの店ではなく、素性の確かな店で。
それにエリアーナが全力で「もうじゅうぶんだ」と拒否をしたのだから仕方がない。
「《《アジト》》の証拠は、掴めそうでしょうか……」
「確たる証拠は掴めなかったが、あの奥の部屋には組織の資金源になる盗品があると確信が持てた。それだけでも今日は時間を費やした甲斐があった」
「本当にまたあの場所に赴かれるのですか? 心が騒ついて嫌な予感しかしないのです」
「ああ。近日中にな」
「あのっ……」
エリアーナが突然立ち止まったので、アレクシスも歩みを止める。
衣装屋にいた時もそうだったが、エリアーナが心から恐縮しているのが手に取るようにわかる。
「謝らなくていい。初めから購入するつもりだったし、何着でも良いと言ったのは俺なのだから」
美麗な花とみまごう姿でエリアーナが試着室を出ると、周りの空気が一瞬で華やいだ。
反王政組織の動向を探る目的をつい忘れてしまうほど、アレクシスはその都度エリアーナに見惚れた。
ふとした瞬間にすぐ頬が緩みそうになるのをどうにか必死で堪えていたのだ。
本当は山ほど買ってやりたい。組織と通じるこの店ではなく、素性の確かな店で。
それにエリアーナが全力で「もうじゅうぶんだ」と拒否をしたのだから仕方がない。
「《《アジト》》の証拠は、掴めそうでしょうか……」
「確たる証拠は掴めなかったが、あの奥の部屋には組織の資金源になる盗品があると確信が持てた。それだけでも今日は時間を費やした甲斐があった」
「本当にまたあの場所に赴かれるのですか? 心が騒ついて嫌な予感しかしないのです」
「ああ。近日中にな」
「あのっ……」
エリアーナが突然立ち止まったので、アレクシスも歩みを止める。