《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?
「どうした?」
「大切なお仕事だってわかっています。でも危ない場所にみすみす赴かれて、旦那様の身に何かあったら……っ」

 潤んだアメジストの瞳が縋るように見上げている。

「心配してくれるんだな」
「当たり前です……!」

 ——こんな冷たい態度しか取らない俺のことを、エリーは案じてくれるのか……?

「あなたは大切な……ジークベルト侯爵家の跡取りですから。何かあってはお義父様とお義母様が悲しまれます」

 そう言うと目を逸らせて俯いてしまう。
 エリアーナの心配は両親に向けられたもの。一瞬でも期待してしまった事をアレクシスは心から恥じた。

「国王から賜った任務だ。疎かにするわけにはいかない」


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