《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?
「ふふっ、ルルはそうやってすぐに逃げようとするけれど、学校に通い始めてまだひと月だもの。私に異能を発現させるっていう、お義母(かあ)様のご配慮を無碍にするわけにはいかないわ」

 夫に似た美貌の姑の、エリアーナへの苛立ちを隠さぬ怖い顔が眼前によぎる。

 ため息が漏れそうになるのを押さえつけながら、クローゼットへと向かった。
 寝坊はしていないけれど、急いだほうがいい。

 エリアーナの今日一日のスケジュールのほとんどを占めているのは学園生活だ。
 さっさと朝食を済ませたら、十マイリーもの遠い道のりを馬車に乗って《《登校》》しなければならないのだから。

 ——朝礼に遅れたら大変!
 マダム・リーズに叱られて、魔妖獣の顔で一日を過ごす事になってしまうわ。

「ただでさえ私はポンコツ生徒だって目をつけられているんだから」

 生活指導教師のマダム・リーズは違反生徒に容赦がない。
 変身魔法を使う指導者なので、お仕置きは皆が嫌がるものの姿に変身させられるのがお決まりだ。

 ——ブロブリンの頭は(くさ)くてアンに迷惑をかけてしまうし、意地悪なジゼル達からの《《仕打ち》》が怖いんだもの……!


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