《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?
「……ちょうど良かった。私はジルベール様からあなたの世話役を仰せつかった十一年生のエリー・ロワイエです。あなたが書庫室で待っていると聞いて、友人のアンと探していたところなのよ」

「ふーん。わざわざ自己紹介してくれちゃったみたいだけど、こっちは《《あんた》》の事なんかどうでもいいけどね?」

 ————「あんた」……?
 
 エリアーナにはもうこの時点で明日からの更なる苦悩が透けて見えた。

「それよりもぉー…。やだ、アネットったらぁ。レオンとの遭遇で頭んなかパニクってる?!」

 聞き慣れない語り口調を繰り広げながら鞄の中身をひっくり返す。
 ごちゃごちゃと細かいものを床に広げていたが、その中から何やら薄紙に包まれた小さな塊を手に取ってレオンに差し出した。


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