《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?
「はいこれ! 今回わぁ……チョコレート。だって全然逢えないからさぁ。ずっと鞄んなか入れてたから形くずれちゃったけどぉ……まいっか」

 得体の知れない代物を強引に突きつけられては、もう受け取るしかない。
 指先でつまんだ塊にレオンが顔をしかめると、アネットはその何倍もの皺を眉間に寄せた。

「うわー、うわっ。またしくった———! なんだよ、チョコも違うのかよ……ってコトはぁ、正解は飴玉?」


「「…………………」」

 相当な変わり者を()の当たりにした衝撃で、突然の告白とキスの戸惑いなんてどこかへ飛んでいってしまう。
 エリアーナとレオンは呆気に取られたまま、もう一度顔を見合わせるのだった。


 *


「ふぅぅ……」

 さすがに反省すべきだとも思う。
 ため息を吐けば幸せが逃げていくと言ったのは誰だったか。

 ——私ったら、ため息ばかり。


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