《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?
「レオン・ナイトレイとはどういう関係だ……! 一体いつから……ッ」

 アレクシスの声色には、怒りの中にも押さえのきかぬもどかしさと悲しみが潜む。エリアーナと目を合わせる事さえ辛いと言わんばかりに視線を逸らせると、

「私の妻に馴れ馴れしくふれたばかりか、あろうことか……妻に、エリアーナに……ッ」

 ——レオンの抱擁をエリーが受け入れるのを見た。
 異能を発現させたのか……?
 奴に『愛され』、奴を『愛する』ことで——。


『まさかとは思うが、俺の預かり知らぬところでエリアーナの異能……「王の()」が開花していたのではなかろうか——』


 どういった経緯で入学に至ったのかはわからぬが、異能が発現したならば学園の生徒として問題なく、辻褄もあう。

 レオンがエリアーナの額に口づけるのを見た時、二人の間に分け入ってレオンをぶん殴りたい衝動に駆られた。

 だがアレクシスはその衝動を毒を飲む思いで抑え込んだ。
 あの場で飛び出してしまえばレオンの動向を探るという任務を放棄する事になる。
 どんなに口惜しくとも私情より己の責務を優先させるしかなかった。


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