《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?
「あれは、たまたまあの鳥さんがいたからで……。『王の眼』として国王陛下とジークベルトの家門に貢献することに比べれば、あんなこと……っ」
「エリー、聞いて? 『王の眼』のことなど気にしなくていい。そんなものがあってもなくても、俺はエリーが大事だ……!」

 額をはなすと腕の力を緩め、今度はそっと抱きしめる。体温の高いアレクシスの腕の中は熱いほどだ。

「俺の中に今まで知らなかった自分がいる。どうやら俺はひどく嫉妬深い男のようだ。
 エリーが他の男と親密に話しているのを見て気付いた。認めるよ……情けないが、俺はレオンに嫉妬した。
 偽りだったとはいえ酷い事を言った。あの男への嫉妬心と苛立ちを、あろうことかエリーにぶつけてしまった……異能を確かめるなんていう身勝手な名目とともに。怖い想いをさせて、本当にすまなかったな……大事なエリーを傷つけてしまって、すまなかった」

「……旦那さま?」

 頭の上から降ってくる雨のような感情。
 声色は穏やかだが——エリアーナへの愛を必死で訴えようとするアレクシスの身体と両腕が、(かす)かに震えている。



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