《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?
「だいたい想像はつくわよ。お屋敷の改装とか使用人の労働環境改善とか、エリーも色々あって大変なんでしょ? でもそろそろ様子を見に行かなきゃ、あの《《変わり者》》がまた何をしでかしてるか!」

「そ、そうだったわね。ちょっと待って……っ」

 机の上を手早く片付け、教場の移動があるため、午後の授業に備えて魔法書を革製の四角い鞄に入れる。

 鞄の奥に忍ばせているうさぎの縫いぐるみが目に止まったが、手のひらサイズのもふもふはぴくりとも動かないのだった。
 ルルが来なくなくなってから数日がゆうに過ぎており、こんなに長く不在が続いたのは初めてで心配になってしまう。

 ——妖精の里で無事でいてくれるなら良いのだけれど、私には、それを確かめるすべがない。

 昼休みはアンと共に編入生のアネットと食事を摂ることになっていた。
 不本意だけれど、かの生徒会長の頼みとなれば無碍にはできない。

「ちょっとあの子ったら、今度は何やってるの……!?」

 ダイニングホールに一歩踏み入れば、彼女が纏う異様な空気感を嫌でも感じ取ってしまうほど、アネット・モローは異質であった。



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