《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?
「なるほど、それがいい! そうしてくれると有難いよ。レオンも一人きりでアネットに対峙するよりはエリーがいれば心強いだろう。じゃあ二人とも、頼んだよ!」

 ジルベールの満面の笑顔に、エリアーナの期待は見事に裏切られた。
 レオンを見れば、してやったりという顔をしている。
 背中にのしかかる重しがまた一つ増えたような気持ちになった。

 ——ねぇ、ルルっ。
 そこにいるのでしょう? いるなら、何か言って……。
 ルルの声が聴きたいの……!

 心の中で繰り返しながら何度も鞄を見つめてみたけれど、四角い革鞄の中のうさぎはだんまりを続けたまま、うんともすんとも言わないのだった。




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