《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?
「エリーの可愛い啼き声を、俺以外の誰にも聞かせたくない」

 たっぷりとキスの雨を落として気が済んだのだろうか。アレクシスはくつりと微笑い、互いの額と額をこつんと合わせた。

「それに俺は謝罪中の身だ。エリーが嫌がることはしないよ」

 ちゅ、と額に優しいキスを落とすと、ぽんぽんくしゃっとエリアーナの頭を撫でて、悪戯な手のひらが去っていく。

 困っていたはずなのに、このまま離れてしまうのは少しだけ寂しいような。
 それでもようやく解放された身体を起こしながら、開け放たれた扉に目をやり、ほ……と胸を撫で下ろした。
 王族の情事であれば当然のように見聞者がそばに置かれるというが……そんなのは平気でいられるはずがない。人に見られるなんて絶対に恥ずかしい!

 長椅子を起き上がってからも、アレクシスはエリアーナの華奢な肩を抱き、胸の中に包むようにして放してくれないのだった。

「魔術学園だが、母上に命じられてしぶしぶ通っているのなら、やめていいんだぞ? 母上なら説得する。俺の妻の事でこれ以上口を出すなと」



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