《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?

『レオン様が死ぬ理由? そんなの口が裂けたって言えないね。でも安心していいよ、レオン様はこのアタシが救うんだ』

 アネットは顔色一つ変えず、むしろ不気味な薄ら笑いさえ浮かべて言い放った。
 予言者でもないアネットがそんなふうに言い切る理由を聞き出したかったのだが、そう簡単に物事は運ばないのだった。

「結局のところ、何もわからぬままだな」 

 彼女から予言じみた『死』を言い渡されたのは、エリアーナも同じだ。
 だがアネットの頭の中にエリアーナはいないようで、問いかけに応じないどころか、レオンと並んで訪れたエリアーナにあからさまな敵意の()を向けるのだった。

「『魅惑の乙女』はうかない顔だな。やはりアネットの妄言が気になるのか?」
「レオン、やめて」

「その呼び名、俺はちょと気に入ったから」

 エリアーナを揶揄うように微笑むレオンの眼差しはどこまでも穏やかだ。

「き、気に入ったなんてっ」

 一方でエリアーナはつい強い口調が出てしまう。
 レオンの揶揄いにも気づかずこんなふうに冷静さを失ってしまうほど、アネットの案件はエリアーナを悩ませていた。



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