《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?

「どうした?」

 エリアーナを見下ろす双眸にはやはり——アイスブルーの光彩が優しく揺らめいていた。
 
「レオンには、ずっと打ち明けたいって思っていたのだけど……」
「ん? まさかここで告白の返事を聞けるとか?」

 声色は明るいけれど、精悍な表情がわずかにこわばったのがわかる。
 いつでも堂々と胸を張り、怯まず、威勢を放つ優等生レオン・ナイトレイが、柄にもなく緊張しているのだ。

「私ね——結婚しているの。だから」

 エリアーナが顔を上げ、次の言葉を紡ぐ。
 ブルーの虹彩が見開かれる。その表情はにわかに影を帯び、レオンの形の良い唇が一文字にぐいと引結ばれた。




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