《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?
アレクシスと同じく長身のカインを、彼の鍛え抜かれた体躯が更に大きく見せている。アレクシスを凄然とした『銀の狼』と例えるなら、カインは情熱を秘めた『金の獅子』だ。
「心友はいいが、余計な心配をする暇があるなら仕事しろ。君が手を抜いたぶんの書類を押し付けられるこっちの身にもなってくれ」
歩みを止めずに言いながら片手に抱えた紙の束をひらひらとさせる。それはもはや書類の厚さではなく、一冊の本さながらだ。
「そう目くじら立てなさんなって。仕事の借りはいつか返すよ」
「ふっ、口先だけの男が言うことなど初めから期待してないがな」
カインは唇を尖らせるが、アレクシスは至って涼しい顔をしている。
ちょうど二人が廊下の角を曲がったとき、息を切らした若い侍女にぶつかりそうになった。
「きゃぁっ」
「……おっと!」
当人の代わりに声を出したのはカインだ。
「心友はいいが、余計な心配をする暇があるなら仕事しろ。君が手を抜いたぶんの書類を押し付けられるこっちの身にもなってくれ」
歩みを止めずに言いながら片手に抱えた紙の束をひらひらとさせる。それはもはや書類の厚さではなく、一冊の本さながらだ。
「そう目くじら立てなさんなって。仕事の借りはいつか返すよ」
「ふっ、口先だけの男が言うことなど初めから期待してないがな」
カインは唇を尖らせるが、アレクシスは至って涼しい顔をしている。
ちょうど二人が廊下の角を曲がったとき、息を切らした若い侍女にぶつかりそうになった。
「きゃぁっ」
「……おっと!」
当人の代わりに声を出したのはカインだ。