《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?
「ほ——ら、今日のアレク、やっぱおかしいって。何なんだ?! あのアルマとか言う《《愛人と》》喧嘩でもしたか」

 いつもは宮廷内の些細な事など気にも留めないアレクシスだ。
 キラースマイルはともかく、爽やかな笑顔を絶やさぬ事で知られる彼の仏頂面は珍しい。

「……殴られたいのか」

「ふはは! すまん、ちょっと揶揄っただけだ。愛人……いや、同居人を隠れ蓑にする色男の落ち込みの原因は——ヤンデレなほど溺愛してる奥さん、つまりはエリアーナちゃんだ。そうだろう?」

 アレクシスは歩みを止め、俯きがちだった視線を上げた。

「ほらビンゴ。お前が悩む事なんか滅多に無いからな。どうした、あの可愛い顔でキスでもせがまれたか?」

 揶揄いがちに笑顔を向けたカインだが、すぐ真顔にならざるをえなかった。 アレクシスがまるで深淵に落ちたような暗い表情(かお)顔をしていたからだ。


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