《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?
「はいはい。その話はもう何度も聞きましたよ! 愛するエリアーナちゃんを守りたいって言っても、解決策はもうそれしかないだろ。アレクは大事な妻を守る『騎士』に徹して、『王の()』となったエリアーナちゃんを全力で《愛して》あげれば?」

 カインの言う事はアレクシスとてよく理解している。
 異能の発現によって生じるエリアーナの身の危険を除けば、国王や国にとってもアレクシス夫婦にとっても、良い事ずくめなのは間違いないのだから。

「エリーは俺が守る」
「おっ、離縁を持ち出されて、ヤンデレのアレクもやっと決心がついたか。と言うことは……いよいよ今夜が新婚初夜ッ!」

 アレクシスは困ったように嘆息する。

「簡単に言うな。エリーの異能は単に身体を重ねたからと言って発現するものじゃない」  
「その愛情を言葉と態度で全部注いで、思いっきり好きだと示してやればいいだろう? エリアーナちゃんの愛の炎だってすぐに燃え上がるさ」

 あからさまに頬を緩ませるカインをよそに、アレクシスは怜悧な面差しを崩さない。


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