《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?
 エリアーナだって、適当に事を進めたわけではなかった。
 お金はかかってしまったけれど、著名なデザイナーに屋敷を見てもらい、装飾品や壁紙のイメージを念入りに打ち合わせた。
 細かなディテールにもこだわり、こうしてタッセルの一つ一つに飾り物を縫い付けている。

 由緒あるお屋敷を本当の意味で滅茶苦茶にするわけにはいかない。
 なにしろこの計画は、「離縁したい」という自己中心的なもの。離縁を勝ち取ったあとも、ここに住まう人たちが困るようなことがあってはならないのだ。


 ——美術品も業者の倉庫に運んでもらっただけですし、壁紙が気に入らなければお義母様ならすぐお戻しになるでしょう。でも……っ、お義母様の大切な薔薇の花瓶を割ってしまった。あれはもう元には戻らない。
 私はいったい、どんな『罰』を受けるの——。



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