《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?
「そんな……危ない場所に、旦那様が赴かれるのですか?!」
「突入するわけじゃない、視察だけだ。危険は無いよ」

「危険が無いだなんてなぜ言い切れるのですか。それに、あの……その事と私の『罰』は、どう関係が?」
 尋ねる声がつい尻すぼみになってしまう。

 ——まさかその敵のアジトに、旦那様の身代わりに行かされるとか……!

 密偵《スパイ》に扮装した自分とアジト潜入後の想像を膨らませたエリアーナが恐々と青ざめていると。

「母上が望む『処罰』とは趣旨が違っているかも知れないが。一緒に来て欲しいんだ、《《君が嫌う》》私の、妻として」

「へぇ?」
 何を言われたのかすぐには理解ができず変な声が出てしまった。

「あの……っ、どう言うことなのか、説明してくださいませんか?」

 しどろもどろのエリアーナをアレクシスは表情を崩さずに見つめている。

 ——社交の場に《私の妻として》出席してくれ、とかならわかるけれど……。テロリストのアジトと《私の妻として》は、いったいどんな関係が?!


< 75 / 227 >

この作品をシェア

pagetop