《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?
 しどろもどろのエリアーナをアレクシスは表情を崩さずに見つめている。

「視察するのは民間人が出入りする王都の商店だ。君とは単なる一夫婦として振る舞い、客を装う」
「なる、ほど……。でも、どうしてそれが『罰』なのですか?」

 エリアーナが丸い瞳で見上げるが、アレクシスは困ったふうに視線を脇に逸らせた。

「私と出かけるなんて、君は……(いや)、だろう?」

 ——あんな大掛かりな策略を練ってまで離縁したいと思わせるほど、俺はエリーに《《嫌われている》》のだから。

 アレクシスが心根で密やかに落胆したのをエリアーナは知るよしもない。


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