《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?
「いやだなんて、そんなっ。私にお断りする権利はありませんから」
「嫌がる事を強要るなら、それは『罰』になりうるからね」
「そう、かも知れませんが……。でも、《《そんな事》》で良いのでしょうか?」
(エリーったら、どこまでお人よしだよ?! 罰なんか、軽けりゃ軽いほどいいんだから!)
と、ポケットのうさぎが茶々を入れてくる。
「それに……怪しまれないために民間人の夫婦を装いたいのなら、私ではなくアルマ様とご一緒なさらないのですか?」
ふと言い放ってしまい、はっ、と口元を押さえた。
それは単純な疑問であって、当然、嫌みを言うつもりなどなかった。なのに嫌みじみた言葉が出てしまったのを激しく後悔する。
とたん、アレクシスの眉が不機嫌に歪んだ。
「あっ、あの、ごめんなさい! 私ったら余計な事をっ……」
「聞こえなかったのか? 私は君に同行しろと言っているんだ」
突然に愛人の名を出されて気を悪くしたのだろうか。
その語気も、纏う空気すら強張った。
「明日の朝、十時。エントランス前で待っている」
アレクシスは矢継ぎ早にそう言うと、ばつが悪いのか、エリアーナひとりを残して執務室を出て行ってしまったのだった。
「嫌がる事を強要るなら、それは『罰』になりうるからね」
「そう、かも知れませんが……。でも、《《そんな事》》で良いのでしょうか?」
(エリーったら、どこまでお人よしだよ?! 罰なんか、軽けりゃ軽いほどいいんだから!)
と、ポケットのうさぎが茶々を入れてくる。
「それに……怪しまれないために民間人の夫婦を装いたいのなら、私ではなくアルマ様とご一緒なさらないのですか?」
ふと言い放ってしまい、はっ、と口元を押さえた。
それは単純な疑問であって、当然、嫌みを言うつもりなどなかった。なのに嫌みじみた言葉が出てしまったのを激しく後悔する。
とたん、アレクシスの眉が不機嫌に歪んだ。
「あっ、あの、ごめんなさい! 私ったら余計な事をっ……」
「聞こえなかったのか? 私は君に同行しろと言っているんだ」
突然に愛人の名を出されて気を悪くしたのだろうか。
その語気も、纏う空気すら強張った。
「明日の朝、十時。エントランス前で待っている」
アレクシスは矢継ぎ早にそう言うと、ばつが悪いのか、エリアーナひとりを残して執務室を出て行ってしまったのだった。