君のことがずっと好きだった・・・今度こそ君を守る
いつものように昼休憩に横断幕の準備をする。咲は色を塗っていた。廊下で声がする。美術室に黄色団の人達がやってきた。

「有岡さんのデザインすごくいい。準備してくれてありがとうな。」
大地が声をかける。

「ありがとう。」
雪は少し照れながら答えた。

「廉聞いてー。ここの部分私が塗ったんだよ!」
3年生の女の先輩が話す。
準備に協力してるのほとんど見た事ないけどなと咲は思うが、もちろん口には出さない。下を向いて黙々と作業に取りかかった。

「有岡さん、準備大変だろ。ありがとうな。俺もこのデザイン気に入った。みんなで優勝しような。」
廉は女の先輩の声を無視して、有岡に声をかけた。

「ありがとう。」
雪は控えめのタイプだ。なので、クラスの中心にいる廉と話したことはなかった。廉の褒め言葉と爽やかな笑顔に緊張したが、嬉しかった。

「どんなけ塗ってくれたの?」
咲の隣に行き、廉は聞く。

「この辺りです。」
咲は小さな声で答えた。

「そっか!俺もやっていい?」

「えっあっはい。」
そう言って廉は咲の隣で塗るのを手伝う。

その光景を見て、みんな驚くが、咲は地味な印象だ。廉が好んだのではなく、たまたま声かけただけだろうとみんなは思う。すると大地やほかのメンバーも塗るのを手伝った。大人数でやることで、かなり進んだ。
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