君のことがずっと好きだった・・・今度こそ君を守る
「咲、寺之内駅辺りまで来たけど、家どこかな?」

咲は閉じていた目を開ける。真っ暗な街の世界に少し震えた。

「大丈夫だから。俺がいる。」
廉はそう言って、咲の頭を撫でる。
咲は家の場所を説明して、廉は玄関まで送った。

「廉、ありがとう。」

「自転車怖くなかったか?安全運転したつもりだけど。」

「廉の運転全然怖くなかったよ。廉の背中安心できた。」
咲は照れながら話す。

「そっか、なら良かった。明日がんば、、、」

「咲ーーー!こんな遅くまで何してたんだ。心配してたんだぞ。大丈夫か?」
廉が話してる途中、咲の父が家から飛び出してきた。

「お父さんもう帰ってたの?今日は明日の体育祭の練習で遅くなっちゃって。」

「今日は早く終わる出張だったんだ。なんで遅くなること言わなかったんだ。」

「ごめんなさい。」

「廉くんか?」
父は廉を見て驚く。

「はい。ご無沙汰しております。」

「まさか君が咲を家まで送ったのか?」

「はい。」

「君はなんでまた咲に近づく。昔のこと忘れたのか。金輪際近づかないよう君の母に言ったはずだ。咲をまた苦しめるつもりか。」
父は怒鳴る。廉はなんのことか分からず、立ちつくした。

「お父さんやめてよ。廉は悪くない。今日も助けてくれたんだよ。」

「わかった。今日のことはもういいから、帰りなさい。」
父はそう言って咲を部屋に入れ、扉を閉めた。
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