君のことがずっと好きだった・・・今度こそ君を守る
「咲ちゃんと真由ちゃんいるの?」
大地が声をかける。

「えっ大地さんですか?」
真由の声がした。

「そうだよ。こんなとこで何してんの?」

「ここ、書道部の部室で、咲といるんです。」
そう言って真由は扉を開けた。

「咲と真由ちゃん久しぶりー。めっちゃ楽しそうに話してたじゃん。」
廉は笑顔で声をかける。

「真由すごいんです。第1審査合格したんです!!」
咲は興奮して話す。

「第1審査?」
廉が首を傾げる。

「あっやば。話しちゃった。ごめん。」
咲は慌てる。

「いいよ。」

「でっ1次審査って何?」
大地が聞くが、真由は恥ずかしそうにして答えない。

「真由言っていい?」
真由は頷く。

「真由、シンガーソングライター目指してて、歌唱オーディション受かったんです。」

「えっすご!!」

「シンガーソングライター目指してんのか。すごいね。」
大地と廉が口々に言う。

「受かったって言っても第1審査なんで、まだこれからです。」

「でもすごいよ。おめでとう!」
大地が笑顔で言った。

「次は来週の土曜日なんで、頑張ります。」

「来週の土曜日って俺らの予選の日だな。お互い頑張ろうぜ。」
大地は言う。

「そうなんですか。何時からなんですか?」

「俺らは14時から。真由ちゃんは?」

「私は9時からです。」

「そっか!どこでオーディションなの?」

「丹波駅の近くです。」

「あっ俺らもその近くのグランドで試合だよ。」
廉は言う。

「なあ、真由ちゃん。オーディションの後時間ある?良かったら、試合の応援来てくれない?もちろんオーディションが長くかかったりするなら、そっちが優先なのは分かってるけど。俺頑張るから。」
大地は言う。

「えっ、私が行ってもいいんですか?見に行きたいです。」

「嬉しい。ありがとう。真由ちゃん見に来てくれたら絶対勝つわ。その日はいい日にしような。」

「はい。私も笑顔で応援に行けるよう頑張ります。」

真由が嬉しそうにしているのを見て、咲は笑顔になる。

「咲はその日用事あるん?」
廉は聞く。

「ないですけど。」

「じゃあ咲も応援来てよ。」

「えっ、私ですか?廉さんの応援ならたくさんいると思うし、やめときます。」

「俺は咲に来て欲しいんだけど。咲の応援じゃないと頑張れない。」

咲は戸惑う。廉に誘われたのは嬉しい。ただ、廉への恋心がまた溢れてしまいそうで怖かった。

「咲ーー!一緒に行こうよ!ねっ!」

「うん。」
真由の誘いもあり頷く。

「ありがとう。俺頑張るから。」

「頑張ってください。応援してます。」
咲はにっこり微笑んだ。
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